研究課題/領域番号 |
05557074
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
本田 孔士 京都大学, 医学部, 教授 (90026930)
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研究分担者 |
楠城 紹生 ニデック株式会社, 技術部・眼光学機器開発3課, 研究員
岡本 直之 京都大学, 医学部, 助手 (70263069)
高梨 泰至 京都大学, 医学部, 助手 (10226798)
小椋 祐一郎 京都大学, 医学部, 講師 (70191963)
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キーワード | 網膜微小循環 / 温度感受性リポソーム / 立体蛍光眼底撮影 / 白血球 / 走査型レーザー検眼鏡 / 粘着能 / 活性白血球 / 網膜静脈分枝閉塞症 |
研究概要 |
昨年完成させたダイオードレーザー及び温度感受性リポソームを用いた網膜微小循環動態評価システムを用いて、サル網膜における局所的な網膜循環を評価した。立体眼底カメラを用いることで網膜毛細血管での3次元的な循環動態を観察し評価した。 網膜微小循環を評価する新しい方法として、核染色蛍光色素であるアクリジンオレンジを用いて、サルおよびラットで白血球の網膜循環動態を観察した。網膜を観察する為に走査型レーザー検眼鏡を用いた。 まず、サル及びラットにおける生理的条件下にて網膜白血球動態を研究した。サルにおいて黄斑部における白血球動態を観察した結果、白血球は一過性に止まりながら毛細血管内を流れ、後毛細血管細静脈では血管壁に沿いながら流れることが観察された。ラットでは細動脈分岐部で白血球は速度の速い枝へ流れ込みやすく、毛細血管網では白血球が不均等に配分され、白血球の短絡路が示唆された。 次に、サルにおいては実験的網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)を作製し白血球動態を観察した。白血球は閉塞側の静脈や毛細血管を低速度で止まりながら逆流し、網膜浮腫の近傍の細静脈に多く集積していた。これらのことより、白血球がBRVOにおける無血管域の発生や網膜浮腫の継続に関与していることが示唆された。ラットにおいては、インターフェロンを投与した後、網膜血管に白血球が粘着していたり、網膜循環に白血球が捕捉されているのが観察され、インターフェロン網膜症における微小循環障害に白血球が関与している可能性が示された。
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