研究課題/領域番号 |
05557074
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
本田 孔士 京都大学, 医学研究科, 教授 (90026930)
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研究分担者 |
楠城 紹生 ニデック株式会社, 技術部眼光学機器開発3課, 課長
高梨 泰至 京都大学, 医学研究科, 助手 (10226798)
小椋 祐一郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (70191963)
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キーワード | 網膜微小循環 / 温度感受性リポソーム / 立体蛍光眼底撮影 / 白血球 / 走査型レーザー検眼鏡 / 糖尿病 / 脈絡膜循環 / インターフェロン網膜症 |
研究概要 |
一昨年完成させたダイオードレーザー及び温度感受性リポソームを用いた網膜微小循環動態評価システムを用いて、サル網膜における局所的な網膜循環を評価した。立体眼底カメラを用いることで網膜毛細血管での3次元的な循環動態を観察し評価した。 フルオレセインナトリウムを用いた色素希釈法にて、自然発症糖尿病モデルであるGK(後藤-柿崎)ラットの網膜微小循環の長期変化を検討した。糖尿病発症後1、3、5カ月の時点での網膜循環を評価した結果、GKラットは対照群に比べ、糖尿病発症後1カ月の時点から網膜循環血流量の有意な減少がみられ、その傾向は3カ月、5カ月の時点でも同様であった。網膜主幹動静脈径に有意な変化がみられなかったことから、GKラットの網膜循環異常には、毛細血管を中心とする微小循環レベルにおける変化が関与していると推察された。 脈絡膜循環動態を観察するための蛍光色素であるインドシアニングリーン(ICG)を用いて、ラットの生理的条件下における白血球の脈絡膜循環動態を検索した。ICGをラットに静注すると、通常のICG蛍光造影が観察された後、脈絡膜血管内に多数の過蛍光点が観察された。末梢血染色標本の蛍光顕微鏡での観察によりこの過蛍光点が白血球であることが示唆された。この過蛍光点をマーカーとしてラット脈絡膜静脈における白血球動態を定量的に評価し得た。 昨年に続いて、核染色蛍光色素であるアクリジンオレンジを用いてラットにおける白血球網膜循環動態を検討した。ラットにインターフェロンを投与すると、網膜血管に白血球が粘着していたり、網膜毛細血管床に白血球が捕捉されているのが観察され、インターフェロン網膜症の微小循環障害に白血球が関与している可能性が示唆されたが、この変化に対する種々の薬剤の効果を検討した。用いた薬剤はステロイド、血小板活性因子拮抗剤、スーパーオキシドジムスターゼで、そのすべてにおいてインターフェロンによる白血球の網膜毛細血管床への捕捉は軽減された。これにより臨床的な応用とともに、薬物による循環障害に白血球と血管内皮との相互作用が関与している可能性が示された。
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