研究課題/領域番号 |
05557080
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
春日井 昇平 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (70161049)
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研究分担者 |
俣木 志朗 長崎大学, 歯学部, 助教授 (80157221)
鈴木 聖一 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90187732)
柴田 俊一 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (80187400)
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キーワード | 骨髄 / 骨形成 / 骨吸収 / プロスタグランディン / 受容体 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 |
研究概要 |
最初に、本研究の基礎となる骨形成系であるラットの骨髄ストローマ細胞培養系を用いて実験をおこなった。骨組織における重要な調節因子であるprostaglandin E_2(PGE_2)が、骨形成に及ぼす影響に関して、実験をおこなっところ、培養初期にPGE_2を作用させると著しい骨形成の促進が観察され、逆に培養後期に作用させると石灰化の抑制が観察された。このことは、PGE_2の作用は細胞の分化ステージによって著しく異なることを意味する。動物実験において、PGE_2を全身投与することにより海綿骨の増加が観察され、近年PGE_2の骨組織に対するアナボリックな作用が注目されている。そこで、ラットの骨髄ストローマ細胞培養系の培養初期におけるPGE_2のアナボリックな作用のメカニズムについて実験をおこなった。その結果、PGE_2のこの実験系におけるアナボリックな作用は、PGE_2受容体のサブタイプであるEP2を介した細胞内のcAMPの上昇を介していることが示唆された。最近PGE_2の受容体のサブタイプがクローニングされ、種々の組織における発現が報告されているが、骨組織における発現は報告されていない。そこでPT-PCRとin situ Hybridizationの手法を用いて骨組織におけるPGE_2の受容体のサブタイプの発現について、検索をおこなった。その結果、ラット頭蓋骨においては、EP1,EP2の発現が観察されたが、EP3の弱い発現も観察された。頭蓋部の組織においては胎生14日においてすでにEP2発現が観察され、骨髄細胞を用いたin vitroにおける骨形成系においても培養3日目にEP2の発現が観察されたことより、EP2は骨芽細胞への分化の初期においてすでに発現していることが明かになった。 骨を吸収する破骨細胞の形成系は現在マウスを用いた実験系が主として用いられている。我々はラットの骨髄細胞を培養系における破骨細胞型成系を検討した結果、マウスの場合と同様に活性型ビタミンDの添加により、破骨細胞様細胞が形成されることを確認し、培養条件に関する検討をおこなっている。
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