研究概要 |
マルチテレメータシステムならびにPCMデータレコーダと現有の各機器を接続し,長時間無拘束で計測可能なシステムの構築が完了したことで,睡眠時顎口腔機能異常監視システムのハードウェア面での目標はほぼ達成した. 睡眠時顎口腔機能異常監視システムのソフトウェア面では,マルチテレメータシステムによる筋電図,筋音,咬合力,呼吸,心電図,および脳波の試験測定を行い,測定環境や測定装置の配置ならびに測定手順がほぼ確立した.現在,予備実験として,ブラキシズムを有する被験者に対し本測定システムを用いて睡眠中の各種生体情報について測定を行い,ブラキシズムの病態を把握するための基礎データの収集にとりかかったところである.現時点ではデータ解析用ソフトウェアの開発に必要なだけの基礎データは収集できておらず,今後ひきつづき基礎データを蓄積し,データの解析結果をもとにソフトウェアの開発を進める. また,睡眠時顎口腔機能異常監視システムの基礎データの信頼性を向上させる目的で,ブラキシズム被験者をスクリーニングするための問診表,咬合診査チャートを含む測定プロトコールを作成し,被験者の選択ならびに登録を行っている. 一方,定電流刺激によるブラキシズム治療法に関しては,ブラキシズムを検知し定電流刺激のトリガとなる信号を筋電図より設定することとし,予備実験をもとに刺激強度,刺激頻度,刺激時間の仕様を満たすバッテリーオペレーションによる定電流刺激装置の設計を行った.今後,刺激装置を製作して定電流刺激の最適刺激条件を検索し,睡眠を妨害することなく安全で効果的にブラキシズムを治療できる定電流刺激装置を完成させ,臨床応用を試みる予定である.
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