研究概要 |
1.マルチテレメータシステムならびにPCMデータレコーダと現有の各機器を接続し,睡眠時の高精度なデータ収集ならびに解析が可能となった。 2.ブラキシズム被験者をスクリーニングするための問診表,咬合診査チャートを含む実験プロトコールを作製し,これをもとに被験者の選択を行った. 3.マルチテレメータシステムならびにPCMデータレコーダによる筋電図,顎運動,呼吸,心電図および脳波の試験測定を行い,睡眠時ブラキシズムの測定方法を確立した. 4.被験者宅にて3夜連続測定を行い測定データを詳細に検討した結果,ブラキシズム発現時の筋電図,顎運動ならびに脳波から新たな知見が得られた.この解析結果をもとにブラキシズムをクレンチングタイプとグラインディングタイプの2種類に分類した.また,ブラキシズム発現前後に睡眠ステージが特徴的な変化をすることを発見した. 5.ブラキシズムを検知し定電流刺激のトリガとなる信号を咬筋電図より設定することとした.予備研究に基づいて,刺激強度,刺激頻度,刺激時間の仕様を満たすバッテリオペレーションによる定電流刺激装置を製作した.しかし,十分な安全性が得られていないため,今後改良を重ねていく必要がある. 6.本研究により睡眠時ブラキシズム発現時の生理的変化について多くの知見が得られた.今後さらに多くの被験者について詳細な解析を行い,客観的かつ簡便なブラキシズム判定基準を確立し,臨床応用が可能な安全で効果的なブラキシズム治療法を開発する予定である.
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