研究課題/領域番号 |
05557097
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三川 潮 東京大学, 薬学部, 教授 (60012613)
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研究分担者 |
佐藤 俊次 ツムラ(株)研究所, 研究員
渋谷 雅明 東京大学, 薬学部, 助手 (50170923)
野口 博司 東京大学, 薬学部, 助手 (60126141)
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キーワード | 生物活性物質 / スクリーニング / 抗パフ作用 / 抗アレルギー作用 / リグナン / スチルベン / フラボン / Ca拮抗作用 |
研究概要 |
日本、中国、台湾、香港、インドネシアなど東南アジア各国で入手した200種以上の生薬、薬用植物について抽出エキスを作成し、各種のインビトロバイオアッセイ系について活性物質の存在を探索するスクリーニングを行なった。エキスの段階で活性が見られたものについては、生物活性を指標に分画を行ない、最終的な活性物質を同定した。カルシウム拮抗作用物質としてはゴボウシよりトラケロゲニン(リグナン)、カッコウよりパチュリアルコール(セスキテルペン)を同定した。トラケロゲニンは自然発生高血圧ラットでの血圧降下試験で有意の作用を示している。抗PAF作用物質としては、シリンガレジノール型のリグナンとセスキテルペンラクトンを同定した。これらの化合物はPAFによる血小板を特異的に阻害し、他の凝集剤に対しては、拮抗しないという、特異性を示した。抗アレルギー作用物質としは、リグナン類にもその作用が検出され、またインドネシアの生薬(ボロンボロン)からはスチルベンとフラボンを同定した。異なる種類のバイオアッセイで作用を示した、リグナンはある程度の距離を置いて2つのベンゼン環が存在する構造を持っている。リグナンは抗アレルギー作用も持ち、同じく抗アレルギー作用を持つフラボンやスチルベンも同様にある程度の距離を置いて2つのベンゼン環を持ち、リグナンとの構造の類似性に興味がもたれた。 このような知見から、ベンジルアミン類と安息香酸誘導体を反応しアミド化合物を合成し、2つのベンゼン環の間をアミド結合で結んだ化合物の合成を進めている。さらに2つのベンゼンカンの結合をより短くするため、アニリン誘導体に安息香酸誘導体を反応させることも検討している。合成された化合物は抗PAF作用、抗アレルギー作用等を測定する予定になっている。
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