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1994 年度 実績報告書

超原子価ヨードニウム塩系抗真菌剤の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 05557098
研究機関徳島大学

研究代表者

落合 正仁  徳島大学, 薬学部, 教授 (50127065)

研究分担者 中池 司郎  大正製薬株式会社, 薬理研究部, 主任研究員
キーワードヨードニウム塩 / 抗真菌剤 / ヨウ素 / 抗菌活性
研究概要

超原子価アルキニルヨードニウム塩やアルケニルヨードニウム塩の抗菌活性を調べ、化学構造と活性の相関を基盤とする、新しい抗真菌剤の分子設計を実施して、抗真菌化学療法剤を開発することが目的である。平成5年度には、著者等の開発した反応を活用して、アルキニルシランからアルキル側鎖の長さの異なるアルキニルヨードニウム塩を合成し、その抗真菌活性を調べてアルキル側鎖の最適化を検討したところ、アルキル側鎖の炭素数が8のアルキニルヨードニウム塩がカンジダ菌やクリプトコッカス菌等の酵母状真菌に対して最も強い抗菌力(MIC:3.13-12.5ug/ml)を示すことを既に明らかにしている。
本年度は、分子内に炭素-炭素2重結合を有する超原子価アルケニルヨードニウム塩を合成して、その抗菌活性を調べた。種々のアルケニルヨードニウム塩の中で、直鎖のオクチル基を有するアルケニルヨードニウム塩が白癬菌やMicrosporumに対してアゾール系抗真菌剤であるketoconazoleに勝るとも劣らない活性を示すことを見出した。ただし、酵母およびAspergillusに対する抗菌活性は弱かった。β位に酸素置換基を有するエノールラクトン系アルケニルヨードニウム塩の抗菌力は、糸状菌のTrichophytonとMicrosporumに対してそのMICが100μg/mlと弱いものであり、酵母に対しては抗菌力は認められなかった。β位にベンゼンスルホニル基を有するアルケニルヨードニウム塩は、糸状菌のTrichophytonとMicrosporumに対して中程度の抗菌力を示した。超原子価ヨウ素原子上の配位子の効果についても種々検討したところ、パラトルエンスルホニルオキシ基がBF_4と比較して、同等の抗菌活性を示すことも明かとなつた。
以上のように、強い抗菌活性を示すアルキニルヨードニウム塩やアルケニルヨードニウム塩を見出すことができたので、マウス実験的カンジダ感染モデルを用いて実施する7年度のin vivo抗菌力試験が大いに期待される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Masahito Ochiai: "Synthesis of (2)-1、2-Dihalo-1-alkenes by the Reaction of(2)-(B-Halovinyl)phenyliodonium salts with n-Bu4NX or KXICuX." Chemistry Lett.871-874 (1994)

  • [文献書誌] Masahito Ochial: "Evidence for Michael-Type Reaction of Alkenyliodonium Salts." Tetrahedron Lett.35. 9407-9408 (1994)

  • [文献書誌] Takema Nagaoka: "An Onium Transfer Reaction of 1-Alkynyl(phenyl)iodonium Tetraflueroborates with Triphenylarsine" Tetrahedron Lett.36. 261-264 (1995)

  • [文献書誌] Masahito Ochial: "Solvent Effects on Ipso versus Ortho Selectivity." J.Org.Chem.(in press).

  • [文献書誌] Masahito Ochial: "The Nature of Alkylidene carbenes." J.Org.Chem.(in press).

  • [文献書誌] Tadashi Okuyama: "Solvolysis of Cyclohexenyliodonium Salt." J.Am.Chem.Soc.(in press).

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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