研究概要 |
分担課題:培養細胞による薬物吸収評価系の確立、及び本研究の全体の統括 評価系は平成5年度において確立したので、これを用いて、明治製菓グループにより開発された粘膜接着性マイクロスフェア-からの吸収を検討した。マイクロスフェア-のコーティングに使用するPolycarbophil(PCP)自身が吸収促進作用があることを見出した。またこれをコーティングした粘膜接着性マイクマイクロスフェア-に吸収促進剤であるdecanoyl carnitineをコーティングしたマイクロスフェア-は、対照に比して10倍以上の吸収性を示すに至った。これにより本法の有望性が示された。分担課題:ポリペプチド及びそのプロドラッグのパイエル板吸収性 ウサギ小腸パイエル板(PP)で、レクチンの一種concavalin A(Con A)とBSAが架橋したものは単独のものよりもよく吸収されるが、BSAとCon Aとの架橋はグルタールアルデヒドよりもマレイミドを使用した方が、1:1の結合比のものが効率よく合成された。これにより蛋白質の透過性を改善するプロドラッグの可能性が示された。パイエル板指向性の剤形としてポリ乳酸-ポリグリコール酸共重合体を用いたマイクロスフェア-を調整し、これにBSA,HRP,SODなどを封入して、パイエル板移行性を検討したが、透過量の定量に今後の課題が残された。分担課題:粘膜接着性マイクロカプセル及びパイエル板指向性のマイクロスフェア-の開発 吸収促進剤を含有するマイクロカプンセルの調整は、促進剤の界面活性作用のため困難であったので、前年に引き続き、粘膜接着性マイクロスフェア-の開発を行った。前年度に検討した、PVPを基剤とするものは、均一な形状を与えなかったが、ゼラチンを基剤とすることにより、目的とするマイクロスフェア-の調整に成功した。
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