研究課題/領域番号 |
05557104
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
入村 達郎 東京大学, 薬学部, 教授 (80092146)
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研究分担者 |
高山 博夫 ヤクルト中央研究所, 研究員
山本 一夫 東京大学, 薬学部, 助手 (20174782)
今井 康之 東京大学, 薬学部, 助手 (80160034)
辻 勉 東京大学, 薬学部, 助教授 (00143503)
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キーワード | ムチン / モノクローナル抗体 / レクチン / 細胞認識 / グリコシレーション / 腸内細菌 |
研究概要 |
ヒトの上皮性のムチンの検出系と発現系を確立することを目的として、モノクロナル抗体の作製、リコンビナント遺伝子を用いた発現ベクターの作製、及び培養細胞によるそれらの発現を行なった。(1)種類の異なるヒトムチンのコアペプチドの各種臓器の粘膜上皮に於ける発現量を検出定量できる抗体の開発を行うことを目的として、ヒトMUC1ムチンコアペプチドのC末端に近いグリコシレーションを受けない部分のオリゴペプチドを合成し、これに対するポリクロナル抗体の作製に成功した。モノクロナル抗体に関しては、8種のハイブリドーマを得、それらの産生するモノクロナル抗体の特異性の解析を行った結果、所定の目標に合致するものは今のところ得られなかったとの結論を出した。(2)新規の抗MUC1ムチンモノクロナル抗体を作製し、その結合特異性を解析した結果、シアル酸を持つ糖鎖のついたMUC1ムチンに特異的であることを証明した。(3)ムチンのコアペプチド(MUC1およびMUC2)のグリコシレーションを受ける部分を含むキメラ分子のリコンビナント遺伝子を作製した。これらを種々の細胞に発現することに成功した。(4)ヒト喉頭癌由来の細胞株から、MUC1ムチンの発現があるものとないものとを見いだし、発現がないものを用いてMUC1ムチン強制発現系を作製した。この細胞を用いて、MUC1ムチンの細胞生物学的な役割を査定した。(5)ヒト腸内常在性細菌菌体から、ガラックトースに結合する分子を単離しその一次構造を明かにした。これに基づき、遺伝子を取得、構造解析を行なった。(6)ヒト大腸の主要なムチンである硫酸化ムチンに、同じ腸内常在性細菌が接着することを見い出した。(7)MUC1ムチンのコアペプチドの転写制御機構を解明した。
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