研究概要 |
新規FGF cDNAの検索 FGFは多様な生理作用を示す生理活性ペプチドで,現在まで,9種類の異なったFGFが存在することが,明らかにされている。FGFはその構造に著しい類似性が見られることから,その構造類似の高いアミノ酸配列に対応する2種類の縮重プライマーを合成した。この縮重プライマーを用いてラット胎児cDNAライブラリーをスクリーニングしたところ,陽性クローンが得られ,その構造解析を行った。その結果,これまでのFGFとは異なる新規なFGF cDNAが得られた。 FGF受容体の高発現系の確立 FGFR-1受容体cDNAを発現ベクターに組込せ,COS細胞に導入し,FGF受容体を高発現している培養細胞系を確立した。この培養細胞はFGF受容体を細胞表面上に高発現しており,FGFの結合実験には極めて有用な細胞であることが明らかになった。 新規FGFの発現 上記の実験で得られた新規FGFの生物活性を明らかにするため,FGF cDNAを発現ベクターに組込んた。今後,この組替えDNAを大腸菌に感染させ,大腸菌内で大量に発現させることを試みる。さらに,この組替えFGFを生物活性を上記のFGF受容体高発現系を用いて,検討することを予定している。
|