研究課題
(1)CdTe検出器の臨床画像への応用まず、Clドープ結晶基板で作製したCdTe検出器ではポーラリゼーション現象が現れず、10^6c/s以上の高い計数率があり、医学診断用撮像装置の検出器材料として適当である事を示した。次に、Clドープ基板のCdTe検出器で画素ピッチ500μm、画素数768×4の多チャンネル検出器を作製し、胸部ディジタル画像を作った。従来のX線フィルム像と比べて、肺野、横隔膜や、心臓に重なる部位での診断効果が高かった。(2)散乱線含有率・画像のコントラスト・被曝線量の関係散乱線含有率を変えてアルミニウムの周期的チャートのX線写真を撮影した。同じ濃度にするに要するmAs値と被曝線量が比例する事を使って、コントラストと被曝線量の関係を表す図(contrast-dose diagramと名付けた)を、種々の被写体と撮影条件について作成する事を提案した。この図は、散乱線含有率を調整して、必要最小限のコントラストを得て、被曝線量を出来るだけ減らせるような撮影条件を見出すためのものである。これは本研究の主題である。上記のチャートの写真の例を示して、この図の使い方を説明した。頭蓋骨ファントームを撮影し、トルコ鞍を観察する場合について、この方法を適用する例を示した。(3)粒状の分析粒状は画質の重要な要因の一つで、低コントラスト被写体の識別能を低下させる。増感紙・フィルム系で作成したX線写真の粒状は量子モトル、構造モトル、フィルム粒状からなる。低感度の系では、構造モトルは量子モトルに比べて優勢で、その原因として、増感紙の厚さのゆらぎとlight photonのランダムな散乱と吸収を考えて、管電圧依存性を説明した。高感度の系では、量子モトルが優勢になり、detective quantum efficiency(DQE)を用いて管電圧依存性を説明した。
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