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1994 年度 実績報告書

骨粗鬆症病態解析および治療薬物スクリーニングのための培養モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 05557118
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

加藤 博明  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (10152737)

研究分担者 小宮山 靖  ヘキストジャパン, 創薬研究所, 研究員
稲津 水穂  ヘキストジャパン, 創薬研究所, 主任研究員
松尾 律子  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (00126260)
キーワードAdult osteoblast / Drimary culture / Bcnencdule formation / Osteo porosis / bFGF / dexamethasone
研究概要

老齢ラット骨芽細胞における骨形成におよぼす増殖因子の影響
1.in vivoにおいて強い骨形成促進作用を示す塩基性線維芽細胞増殖因子(以下bFGF)は、in vitroの実験報告においては、これまでに骨形成の促進は観察されていなかった。そこで、bFGFの添加方法を詳細に検討した結果、細胞密度の低い増殖期にのみ短期間処理することにより骨結節形成を促進することが明らかとなった。
2.細胞増殖および骨結節形成におよぼすbFGFの効果は5ng/mlで最大になった。この効果は老齢骨芽細胞(AOB)に比べ胎仔骨芽細胞(FOB)の方がより顕著であった。
3.bFGF以外の増殖因子として、aFGF、EGF、IGF-I、IGF-II、PDGFおよびTGF-β1を同様に増殖期にのみ短期間処理した場合、FOBではbFGF、aFGF、IGF-I、IGF-II、PDGFおよびTGF-β1が細胞増殖活性を促進したが、bFGFとPDGFのみが骨結節形成を促進した。一方、AOBでは細胞増殖におよぼす影響はFOBとほぼ同様であったが、骨結節形成に対しては弱いながら、bFGFのみが特異的に促進傾向を示した。
以上の結果より、bFGFを本来の作用時と思われる細胞の増殖期に添加するときにのみ、骨結節形成を促進することが可能となった。さらに、この効果はFOBよりAOBで低下していた。しかし、骨結節形成の促進効果は、他の増殖因子では同様に処理した場合でも効果が見られず、bFGFに特異的であることが示された。
AOBおける骨形成能低下におよぼすデキサメサゾンの影響
老齢ラットにおけるbFGFに対する応答能の回復を目的とし、他の増殖因子または骨形成関連ホルモンなどの同時添加の影響を検討した。その結果、合成副腎ホルモンであるデキサメサゾンがその回復作用を示すことが明らかとなった。すなわち、FOBではbFGF単独でコントロールの5倍の骨結節形成増加を示したが、デキサメサゾンとの併用により約20倍にまで増加した。一方、AOBではbFGF単独では1〜2倍の骨結節形成量がデキサメサゾンの同時添加により、約15倍にまで増加した。アルカリホルファターゼ活性におよぼす影響も、おおむね骨結節形成に対する結果と同様であった。一方、骨芽細胞様細胞株であるROS(17)/(2.8)、MC3T3-E1およびUMR106ではデキサメサゾンによる増強効果は全く観察されなかった。以上の結果より、FOBおよびAOBにおいては株化した骨芽細胞とは全く違う分化度の骨芽細胞の存在が示唆され、この培養モデルは、よりin vivoに近いin vitro実験法として有用である可能性が示された

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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