研究概要 |
種々の細菌間で高い相同性を示すアラニンラセマーゼの活性中心領域に対応する種々のDNAを合成し(17-23塩基対)、5'末端をビオチンで標識した。これらのDNAプローブを用いて、ドットブロット法によりハイブリダイゼーションの条件検討、および、ビオチン検出システムとしてのストレプトアビジン-アルカリホスファターゼの反応条件を調べた。ハイブリダイゼーションに影響を与える最も重要な条件、温度、プローブ濃度、反応時間では、25℃、10pmol/ml、16時間が最もハイブリダイゼーションに適していた。合成DNAプローブとしては、イノシン含有DNAよりミックスプローブの方が特異性の点で優れていた。代表的細菌の染色体DNAをもちいたDNAハイブリダイゼーションでは、Bacillus subtilis,Pseudomonas fluorescens,Escherichia coli由来DNAのいずれもが合成DNAプローブと反応し、細菌種にかかわらず1種類のアラニンラセマーゼ遺伝子断片を用いて、異なる細菌DNAを同様に検出できる可能性が高まった。また、食品の全処理条件では、フェノール抽出、RNase処理が好ましいと考えられたが、より簡便なアルカリSDS法や煮沸法のみで調製した試料を用いて検討が必要と考えられる。
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