研究課題/領域番号 |
05558004
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研究機関 | 大阪信愛女学院短期大学 |
研究代表者 |
川端 厚子 大阪信愛女学院短期大学, 生活文化学科, 助教授 (30167358)
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研究分担者 |
石倉 信作 大阪府立産業技術総合研究所, 生産技術部・(繊維生産技術開発), 主任研究員
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キーワード | 高齢者 / 保温補助具 / レッグウォーマ- / インナーズボン / サーモグラフィ / 試作製品 / 皮膚温 / セラミック系金属酸化物 |
研究概要 |
目的 高齢者のための快適保温補助具の開発をするために研究を続けている。昨年度までの研究において下肢部を保温することが体全体への保温効果があり高齢者が寒冷下において屋外で活躍する助けとなることがわかった。そこで今回は、レッグウォーマ-を大腿部まで長くしてインナーズボンのような形にした試作製品を作成して着用し温熱生理反応についての挙動を観察した。高齢者は、寒冷下での長時間の活躍や作業を行うことは、生理面、健康面からみて体に悪影響を及ぼすことがわかっている。今回の試作製品が下肢部のインナーズボンとして優れた保温効果があるかどうかについてサーモグラフィによる皮膚温の計測を実施して熱画像解析を行い温度の挙動による結果を評価し検討を加えて考察することを目的とした。 方法 レッグウォーマ-を大腿部まで長くした形のインナーズボンの試作製品の繊維素材は、アクリル繊維でありパイル形態の構造をもつニット地である。さらに熱特性に優れセラミック系金属酸化物を繊維中に練り混んだ高機能を付した加工布である。これと比較検討するために未加工布による試作製品も作成した。被験者は、健康な男性2人によって実験を行った。環境温度は、24-25℃である。サーモグラフィの画像処理機能により熱画像データーから任意部分の皮膚温の検出を行い、特定領域の平均皮膚温を算出した。 結果 インナーズボン試作製品の着用による皮膚温の挙動を熱画像解析した結果、加工布による試作製品の方が高く現れた。着用時の放熱状態の違いは、加工布が断熱性の高いことがわかった。被服材料からの熱放出も加工布も未加工布の温度差は、平均で0.87℃であり加工布の方が高いことが認められた。脱衣直後の皮膚温も加工布の方が高くなっておりヒストグラムによる皮膚温の差も0.5℃高くなっていた。以上の結果から下肢部を保温することによる体全体の保温効果に加えて、さらに高機能を付した加工布によって試作したインナーズボンの方が体全体における保温効果が大きいということがわかった。
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