研究概要 |
1.測定法と装置の面での改良 平成5年度に製作した装置を,実際に試用して,その結果を逐次フィードバックして,実際に学生実験に用いるための改良を行った。学生実験などでは,水とベンゼンなど誘電率の大きく異なる各種の溶媒についての測定を単一の装置で行うため,測定方式を工夫する必要があることがわかった。解決策として,(1)周波数測定器を使わない,電気容量直読方式を導入する,(2)静電容量の小さいセルを作る,(3)同時に密度も測定できるようにする,こととして,専門家とも打ち合せた上で,設計と製作を行った。その際,装置全体をコンパクトにし,多人数の使用に耐えられるように小型化するなどの点にも留意した。改良した試作品を実際に学生に試用させ,一般の多くの学生が簡易な操作で使用できるように細かい改良点を検討している。 2.学生実験として最適なテーマの選定 誘電率のコンピューターによるデータ取り込みと密度の測定値の手動入力により,双極子モーメントを半自動的に計算するコンピューターソフトウエアを用いて,種々の化合物の溶液についての測定を行い,文献値と比較検討した。水および各種の水溶液や,アルコール類などの極性溶媒など誘電率の大きな試料についても良好な結果が得られた。
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