研究概要 |
平成5および6年度に開発製作した,電気容量の直接測定による誘電率測定装置,電気容量を自動的に誘電率データに換算してパソコンの素入力とするプログラム,および密度の実測値を手動入力すれば双極子モーメント測定装置化学において重要な「分子の極性」の概念を学生に認識させるために,双極子モーメントμが求められるパソコンソフトを用いて,典型的な炭素化合物のμの測定を試行した.文献値と一致するデータが得られている. 最終年度である本年度は,以下のように全体をまとめる方向で研究を行った. 1.装置を実際に学生に試用させて,学生実験に用いるための改良を行った. 2.無極性有機溶媒に難溶な化合物のμの測定のため,水溶液でも測定できる特殊な試料セルを製作試用した. 3.誘電率のデータ取り込みと密度の測定値の手動入力により,双極子モーメントを半自動的に計算するプログラムを用いて,種々の化合物の溶液についての測定を行い、文献値と比較検討して,学生実験として最適なテーマを選定した. 4.実際に,学生実験のテキストを作成して,3年次の学生実験に用い,学生が測定する場合にどのような問題が生じるかを調べた. 5.これらの成果をまとめて,総合的に検討し,研究全体を評価して,今後の展開の方法を考察した.
|