研究概要 |
本研究の目的は、教育現場で利用するセンサインタフェースを開発し、ハイパーメディアシステム上で統合させることにある。 これまでに,試作したセンサーモジュールを中学校の授業等に適用して問題点を抽出した結果,卓上から離れ広いスペースを必要とする実験や環境データの測定には,有線によるセンサーを利用した場合,ケーブルの切断等の事故が発生しやすいことが分かった.そこで,センサーのアナログデータを電圧・周波数変換して,微弱電波で伝送する方式の実験を行った.パソコンへはシリアルインタフェースを利用してデータ転送を行う.さらに、赤外線を利用する無線電送方式の基礎実験を行った。 さらに気象等のデータを授業で扱うには,異なる地域との比較が望まれたことから,センサーの測定結果を扱う分散データベースの設置とパソコン通信やインターネットによるハイパーテキストベースの情報交換システムの基礎実験を行った. このように,国産のパーソナルコンピュータがセンサーのインタフェースを有していないことに対する解決策のみならず,科学実験が卓上から広いスペース,そして屋外の環境測定へと拡大しつつある状況に対応可能なシステム開発を前進させることができた.さらに,インターネットの学校現場への普及等の中でハイパーメディアが具体的な姿を現しており,本研究の目的であるセンサー装置の開発とハイパーメディアへの統合を,分散データベースの設置(Mosaic等で扱える)を含めた幅広い立場から実現できる基盤が確立されたと考えられる.この成果を,次年度の研究に活かす予定である.
|