研究概要 |
平成6年度は本研究の中間の年度にあたるため,結論を急がず徹底的に試作・実験を繰り返した.点字・触図読取り装置は点字紙の歪みや折目による誤読を解消するために,主として用紙の走行系を中心に改良を加えた.両面点字印刷装置は,内蔵する制御部の負担を軽減する目的で改良を加えてバグ対策等をも容易とし,併せて価格の低減化を目指している.点字表示端末装置は,従来の機能に加えて,それ自体が盲人用可搬型コンピュータとして利用できる様,標準的なMS-DOSマシンを目指して改良を行いつつある.ただ,装置の重量との関係から内蔵電池の容量をあまり大きくするのは望ましくないので,消費電力の低減化を更に進める必要がある. コンピュータ関係用語辞典は点訳,及び触図化を完了.加えて盲人が図形情報を獲得するにあたり音声の補助効果を検討する目的で,ミニディスクを用いた音声の録音を試みた.平成7年度に詳しい評価を行う計画である. データの多目的利用(点字,音声,拡大等)については,既存のネットワークを通じて試行を開始した.対象は,筑波技術短期大学・視覚部内の教官および学生で,特に全盲の教官に好評である. また,触図を併用した論理回路実験装置を試作し,授業のなかで使用した.現在その効果を分析中である.
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