研究概要 |
本年度は,高校入試問題データ(正答例・正答率・内容領域・ねらい等を含む)を分析・評価するためのデータベース構築を行った。その開発過程には,選抜方法,各教科教育,教育情報,情報工学等の各専門家の協力を得た。特に,教育的側面では,各教科教育の専門家より,問題の内容領域とねらいに関する項目について検討し,今後の研究方式を明らかにした。一方,工学的側面では,問題の説明図,グラフ,表,地図,写真等のデータベース化,さらに,ヒアリング音声のデータベース化に係わる問題点を明らかにした。 対象としたデータは,平成3年度から平成5年度までの高校入試問題で,問題情報データベースには小問単位で約7,500問/年,問題画像データベースには約2,300画像/年を収録した。問題音声データベースは平成5年度のヒアリング問題を対象に,協力の得られた14都道府県分の問題を収録した。 今後の課題は,データベース収録データの質と量を豊富にする一方で,コンピュータ処理可能な分析・評価方法を教育工学的立場で開発研究することである。 なお,本研究費による米国派遣により,本研究を推進する上で有益な知見を得た。具体的には,米国の教育評価の専門家に会って,米国のテスト問題の現状及び実情を聞くことができた。また,米国における大規模な教育テストのコンピュータ処理方法についても知ることができた。
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