研究課題/領域番号 |
05558024
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研究機関 | 統計数理研究所 |
研究代表者 |
長谷川 政美 統計数理研究所, 予測制御員, 教授 (60011657)
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研究分担者 |
矢野 隆昭 昭和大学, 教養部, 助教授 (70081792)
安永 照雄 大阪大学, 遺伝情報実験施設, 助教授
岸野 洋久 東京大学, 教養学部, 助教授 (00141987)
橋本 哲男 総計数理研究所, 総計教育情報センター, 助手 (50208451)
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キーワード | DNA / タンパク質 / 分子系統樹 / 最尤法 / アミノ酸置換 / モデル / シミュレーション / MOLPHY |
研究概要 |
タンパク質のアミノ酸配列データから分子系統樹を推定するための最尤法を開発した。これまでに、アミノ酸置換確率モデルとして、デイホフらによる経験的置換行列にもとづいたデイホフ・モデルを主に用いてきたが、更に大量のデータにもとづくJTTモデルを用いて,実際のデータとのあてはまりが良くなることを確かめた。ミトコンドリアDNAにコードされたタンパク質については、アミノ酸組成の偏りが、核にコードされたタンパク質の平均と違うので、JTTモデルにアミノ酸組成の偏りを考慮に入れたJTT‐Fモデルを適用し、更にモデルが改善されることを確かめた。このような改善によって、いかにすぐれたモデルを作っても、現実の複雑な進化過程とは必らずずれがある。従って、推定された系統樹が、仮定したモデルにどの程度依存しているかを検討しておくことも大切である。コンピュータシミュレーションを用いて、仮想的な配列データを生成し、シミュレーションで用いたモデルと異なるモデルによって系統樹推定を行なうことによって、モデル依存性を調べた。その結果、最尤法では、推定される系統樹が、仮定したモデルにあまり依存しないことが明らかになった。この最尤法のプログラムのほかにも、系統樹推定のためのデータ解析に必要なプログラムを整備し、プログラム・パッケージMOLPHYとして一般に公開した。
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