研究概要 |
本年度は,光多重バイトニックソーティングネットワークの試作ならびに性能評価を行った. 1.インタコネクション専用ハードウェアに光多重コンピューティングを適用した場合の信号線数減少の効果および予想される速度を評価した.特に,BPC(Bit-Permute-Complement)結合と呼ばれるクラスの配線構造を用いるほとんどの相互結合網において,r種類の波長を用いることにより,その配線密度を1/r以下に減少できることを新たな知見として得た.以上の結果を基礎に,最適射影法によるネットワークトポロジーの多重化を行い,信号線数最小の光多重ソーティングネットワークを設計した. 2.誘電体多層膜フィルタ,光ファイバ,LED,フォトダイオード,電子回路部品およびプリント基板を用いて,光多重ソーティングネットワークの構成要素である並列比較演算モジュールを12個作製し、その動作を確認した. 3.上記の並列比較演算モジュールを用いて8入力4多重光バイトニックソーティングネットワークを構成し,約50kHzの速度,5Wの消費電力で動作することを確認した(将来的には,専用の光デバイスを用いることいによりGHzオーダの速度が実現できるものと予想される).光源としては,波長570nm,660nm,850nm,950nmのLEDを使用したが,当初懸念された波長間クロストークは,半値幅40nm程度の干渉フィルタにより効果的に抑制可能であることが判明した.これにより,4波長を使用することにより、8入力のバイトニックソーティングがリンクの交差のない単純なトポロジーで実現可能であることが実証された.
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