研究概要 |
本研究は,地球環境変動の学術的研究に非常に有力な手段を提供する気象衛星NOAA画象を対象とし,時系列的に発生する非常に膨大な情報量を持つ衛星画像に一次処理,二次処理を施して,統合的に管理し,利用者の様々な要求に応じて,その内容を空間的にも,時間的にも自由に検索できる超大規模オンライン画像アーカイブシステム(数テラバイト)の構築を目的としている。本年度は,200巻のテープを保持する一基1テラバイトから成る8mmアーカイバに対し,ファイル管理ソフトウェアを設計するとともに一部デバイスドライバを試作し,従来のドライバに対しその高速性を確認した。又,D-Iテープを用いた高速テープアーカイバも同時に導入した。当該デバイスは,商用システムではSCSI接続を用いており,高々1MB/秒程度の性能しか得られなかったのに対し,VMEインタフェースをもち専用のデバイスドライバを作成することにより,約8MB/秒の性能を達成することが出来た。更に高性能インタフェースにより16MB/秒の実験を行う予定にしている。以上の如く本年度は,階層記憶システムの主要要素であるデバイスドライバの作成ならびに専用のファイルシステムのフレームワーク設計を終了した。従来,I/Oインタフェースの低性能性からこの様な大規模記憶系は必ずしも充分な性能が得られていなかったのに対し,I/O動作に対し最適化したシステムソフトウェアを開発することにより大きな性能向上が見込めることが明らかとなった。又,原データではないが,間引きを行なったクイックルック小容量画像データに関してはGopherサーバを立ち上げ広く全世界に公開した。来年度より高度なマイグレーションツールの開発を進める予定である。
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