研究概要 |
平成5年度における研究課題として挙げたもののうち,CASEリポジトリのデータ・モデル構築に関するものでは,既存のKyotoDBプロトタイプの持つデータ・モデルに表形式のデータ・モデルを導入するなどの拡張を行った.またプロセスのデータ・モデルには,単位工程インタフェースのネットワーク構造を導入した.相前後する二つの単位工程の間に,それらの担当者間のグループ・コミュニケーション機能を管理する要素を導入し,実現を行った.またCASEプラットフォームの実現に関しては,プロセス,プロダクトのデータ・モデルをともに交換することのできる,オブジェクト・ストリームと呼ばれるプロトコルを決定し,KyotoDBへの実現を行った.オブジェクト・ストリームにはプロセス・モデルの要素も含まれるため,プロセス・プログラムのインタプリタはこれを解釈する形で実装されている. ソフトウェア開発ツールでは,プロダクトのデータ・モデルとツールの制御とを分離する方式を採用したエディタを作成した.この方式によって,プロダクトのデータ・モデルに依らない均質なツール・ツール間,ツール・ユーザ間のインタフェースの提供が可能となることが新たな知見として得られた.PCTEに関する研究・開発では,KyotoDBのデータ・モデルの一部をSDSで記述し,UNIX上で管理されるKyotoDBのデータをオブジェクト・ストリームを用いたデータ交換により,PCTEのオブジェクト・ベースに格納させる実験を行うなど,PCTE上での実働化に向けた準備を行った. これらの実績は今年度設備備品であるArgossワークステーションを中心に、同一のSolaris1.1基本ソフトを有したネットワーク分散環境で開発、研究を進めた。
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