研究概要 |
東北大学で受信されている米国海洋気象局NOAAの衛星データは画像データベースとして一般に利用が公開されており,気象画像として時系列解析が可能である. 本研究では,パソコンを持っている利用者を対象とし,データ検索・転送処理の標準ソフト,画像解析法の整備,大量データの処理(通年での時系列解析),地理情報との重ね合わせ法の開発,結果の表示等の出力の整備を行い,画像データベースの有効利用を促進するための支援システムを開発することを目的としている. 本年度は以下のことを行った. 1.衛星画像データベースTIDASをパソコンに送信後,それを表示するプログラムを開発した.この特徴は,(1)1024x1024画素の領域を1/4に間引いた全体画像,300x300の部分画像,100x100の領域を3倍に拡大した画像が表示できる.(2)カラー・白黒の切り替えが可能,(3)輝度・温度に対応する色付けを自由に出来る,(4)近赤外と熱赤外の両画像を同時に表示できる.などの点である. 2.近赤外・熱赤外の両画像の2次元輝度ヒストグラムを計算し,その輝度空間での特徴から,領域をいくつかのカテゴリーに分類し表示するプログラムを開発した. 3.国土数値情報の中の海岸線データをTIDAS座標に変換して同時に表示し,これをもとに精確な位置合わせを行うプログラムを開発した. 4.画像データベースを時系列データとして利用することを検討し,東京湾を対象の例として,年間120シーン以上の時系列データが得られることを確かめた. 5.NOAAと並行して,ERSの処理プログラムを整備し,土地利用の把握,浸透域の抽出アルゴリズムの開発を進めている.
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