研究分担者 |
若松 邦夫 大林組, 技術研究所, 主任研究員
山中 浩明 鹿島, 小堀研究室, 研究員
片岡 俊一 清水建設, 技術研究所, 研究員
荏本 孝久 神奈川大学, 工学部, 助手 (90112995)
堀家 正則 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (80221571)
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研究概要 |
本研究の目的は,微動特性に現れる各種のあいまいさについて試験的かつ総合的に検討を行うことによって,広域にわたる地震時の地盤震動特性評価を簡便に行うための微動の活用法を追求することにある.初年度である本年度は,すでに計画されていた下記の役割分担に基づきながら,1993年釧路沖地震によって大きな地震災害を受けた釧路市をテストフィールドとした空間的・時間的に出来得る限り高密度の微動共同観測を1993年8月に実施した.この共同観測には本研究組織以外からも多数の参加協力が得られ,参加者の総数は36の機関・グループから計115名に達した.当初に予定されていた研究経費の使用内訳に大幅な変動が生じたのは,主に各大学からのこのような研究協力者に対しても旅費・謝金の援助を行ったためである.なお,この共同観測の結果については,震害分布・強震記録・地質地盤データなどの関連情報にも留意しながら,次年度以降においてさらに詳細な検討を行う予定である. 1.1 全体計画ならびに総合調整[瀬尾・入倉・工藤] 本研究全般と共同観測の遂行についての計画・総合調整を行った. 1.2 長周期微動のアレー観測とその解析[堀家・笹谷・坂尻] 地下深部構造の推定を主たる目的とし,釧路市内の数地点において地下深部構造と微動との関係を検討した. 1.3 長周期微動の空間的時間的安定性の検討[荏本・大場・佐間野・山中] 釧路市内の広域で長周期微動の多点観測・長時間連続観測を行い,微動特性の安定性を確認するとともに,長周期微動の空間的特性分布と地震動特性との関係について検討した. 1.4 短周期微動の高密度観測とその解析[〓木・毎熊・香村・片岡・若松] 釧路市内や釧路気象台周辺で短周期微動を高密度で観測することにより,微動特性の特性分布・不整形地盤の影響・地震動特性との対比などを実施した. 1.5 微動観測機器の改良に関する検討[中村・香川・萩尾] 現有の微動観測機器の特性比較を,共同観測の結果に基づきながら実施しつつある. 1.6 微動の観測方法に関する検討[山本・長能・杉本・市川] 共同観測の過程や結果に基づきながら,観測目的の多様性についての追求を行い,それに相応しい合理的観測方法の開発についても検討を行いつつある.
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