研究分担者 |
若松 邦夫 (株)大林組, 技術研究所, 主任研究員
山中 浩明 (株)鹿島, 小堀研究室, 研究員
片岡 俊一 清水建設(株), 技術研究所, 研究員
荏本 孝久 神奈川大学, 工学部, 助手 (90112995)
堀家 正則 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (80221571)
|
研究概要 |
本年度は3年計画の2年目としての研究活動を行い,以下に述べる成果が得られた。 1.足柄平野および釧路における微動の共同観測[全員] 前年度の釧路での合同微動観測を補強するため,(1)気象台周辺での高密度微動・極微小地震観測(堀家),(2)微動アレー観測に基づく地下深部探査(笹谷・坂尻),(3)卓越周期分布図の作成を目的とした広域微動測定(荏本・精木)の3つを重点的に行った.兵庫県南部地震の発生により,次年度の観測計画には阪神地域も検討の対象に加えることとした. 2.共同観測結果の集約と微動の基本的性質の確認[全員] 釧路で実施した前年度の観測データを全員に公開し,各々の方法で解析が試みられた.特に微動特性の安定性の問題が注目され,微動振幅の日変化・卓越周期の安定性・水平/上下スペクトル比の信頼性などが議論された.釧路以外の地域で以前に実施された同様の微動観測結果との比較検討も行われた. 3.微動観測機器の仕様の確立と制作[中村・香川・萩尾・山中] 実用的な(野外観測に便利な)微動観測機器の仕様について検討を行い,試験的に2セットを制作した.機器は瀬尾・荏本が各々の大学で管理し,他の研究者にも貸し出すことによって,性能試験を行ってゆくこととした. 4.微動の観測・解析方法の確立[山本・長能・杉本・市川・若松] 上記2つで述べた観測データを基に,工学的に利用価値の高い微動データを得るための微動観測方法と解析手法についての検討を実施している.この作業は次年度まで継続され,その成果は微動観測マニュアルとしてまとめられる予定である. 5.微動の適用限界に関する検討[全員] 上記2で述べた各地での微動観測結果ならびに釧路地域の広域での微動観測結果に基づき,微動の適用限界を見極めるための検討も実施されている.その成果は,次年度のまとめの段階において,微動観測マニュアルの中に取り込まれる予定となっている.
|