研究課題/領域番号 |
05558049
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 保 京都大学, 防災研究所, 教授 (40027230)
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研究分担者 |
里深 好文 京都大学, 防災研究所, 助手 (20215875)
澤田 豊明 京都大学, 防災研究所, 助教授 (60027258)
中川 一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (80144393)
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キーワード | 土石流 / 土砂調節 / 対策計測 / 砂防ダム / 遊砂地 / シミューション / 流木 |
研究概要 |
流木の混入が土石流の流下過程および渓岸崩壊土砂の侵食過程に与える影響を明らかにするための水路実験を行った。流木が土石流に混入すると、それは速やかに流れの表面付近へ移動し、土石流に乗ったような形で前方へ運ばれ、定常的な流れにおいては、土石流の流下速度等のマクロな特性には顕著な影響を与えないことが判明した。堆積物の侵食速度についても、流木の混在は特に影響を与えていない。今後、土石流先端部へ移動した流木群の河道閉塞作用について解明する必要がある。 土石流シミュレーションの手法に関して、とくに構成粒子径が小さい泥流型の土石流の場合も含めた土石流の流動機構の定式化を進めてきた。これは深さ方向の濃度分布および流速分布を同時に求めることのできる従来のものよりもより一般性を持ったものである。さらに、穂高砂防観測所の試験流域における土石流を含む土砂流出の総合的・定量的予測システムを地理情報システム内に組み込み、任意降雨条件下での土砂流出解析を可能とするモデル設定を行った。 河道が土石流の調節に対して演ずる役割の解明に対して、足洗谷流域での長年の河床変動資料の解析から、勾配1/10前後の河道が土石流の貯留とその後の土砂流出過程を支配している実態が明らかにされ、同時にその区間での砂防ダム築造の効果も明らかとなった。 このような河道区間の土石流調節効果の定量的把握には、網状流路の形成による河床の低下過程の予測が必要となるが、従来困難であった浮き州の発生から流路の分離の過程がうまく再現できるようなシミュレーションモデルの開発を行った。
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