研究課題/領域番号 |
05558059
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
池畑 隆 茨城大学, 工学部, 助教授 (00159641)
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研究分担者 |
佐藤 直幸 茨城大学, 工学部, 助手 (80225979)
真瀬 寛 茨城大学, 工学部, 教授 (30007611)
田中 正俊 茨城大学, 工学部, 教授 (10250979)
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キーワード | 回転プラズマ / 同位体分離 / プラズマ遠心分離 / プラズマ加速 / プラズマ巨視不安定性 |
研究概要 |
本年度の研究は、1.回転プラズマの巨視的不安定性に対する背景ガス圧の効果を調べたこと、2.回転プラズマの回転速度を増大するための新しい方法を提案し、その原理を検証したことである。 1.回転プラズマと背景ガスとの相互作用。 昨年の研究で、回転プラズマをターゲットに照射したところ、ターゲットとの摩擦による速度シア-が原因と考えられる強い不安定性が発生しスパイラル構造が現れた。弱電離のプラズマ遠心分離ではプラズマは周囲の中性ガスを引きずりながら回転するので同様の現象が予想され、遠心分離に対して悪影響が懸念される。そこで真空容器中にArガス(1mTorr〜500mTorr)を満たし、Ar回転プラズマとの相互作用を調べた。 実験結果:1mTorr近傍では周囲のガスの影響は見られず真空中と同じ速度で回転する。比較的遅い時間にm^〜10のフルートモードが現れるもののさほど大振幅にはならない。回転速度、射出速度とも10mTorrから急に下がり始める。10mTorrでm=2のスパイラル構造が現れはじめ50mTorrで最大振幅になるが、100mTorr以上では渦構造に変化し、500mTorrではほとんど構造が現れなくなった。 圧力50mTorrでArプラズマとArガスの密度がほぼ等しくなり、強い相互作用が予想されること、この圧力の近傍で速度で大きく変化していること、m=2スパイラル構造の振幅も最大になっていること等からこの不安定性は回転プラズマの遠心力と速度シア-に起因した遠心力不安定性の可能性が高い。 2.発散磁場を用いた回転速度の増加法 電気伝導度の高い磁化プラズマは磁力線に沿って等電位となり、回転角速度も磁力線に沿って一定になる。フェラロの等回転の法則として知られている。発散磁場の強磁場から弱磁場領域に回転プラズマを射出するとプラズマは磁力線に沿って膨張するが回転角速度は一定であるので最大回転速度がプラズマ半径の比だけ増加する。実験では4kGのパルス磁場から2kGの一様磁場にω=1×10_6rad/sのArプラズマを射出し、24%の速度の増加を確認した。
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