研究課題/領域番号 |
05558068
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
飯田 敏行 大阪大学, 工学部, 助教授 (60115988)
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研究分担者 |
田辺 哲朗 名古屋大学, 工学部, 教授 (00029331)
高橋 亮人 大阪大学, 工学部, 教授 (50029112)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | CMOS・SRAM素子 / 中性子誘起ソフトエラー / Si(n,α)Mg反応 / ビットソフトエラー断面積 / 極細イオンビーム源 / Si-SSD素子 / TRIMコード / DT-DD中性子損傷相関 |
研究概要 |
CMOS・SRAM型記憶集積回路素子の14MeV中性子誘起ソフトエラー断面積の評価を行った。IMビットCMOS・SRAM素子の14MeV中性子誘起ソフトエラー断面積は6〜9×10^<-14>cm^2であったが、この値は個々の記憶セル中にソフトエラーの発生を決定づける特別な領域があることを示唆している。セル構造についての考察から、決定領域としてMOSトランジスタのドレイン下部の空乏層域を考え、物質中の荷電粒子輸送コードTRIMに中性子核反応データを組入れた独自のモンテカルロシミュレーションコードでビットソフトエラー断面積を計算した。測定値との比較考察からソフトエラーの発生にはSi(n,α)Mg反応の寄与が最も大きく、14MeV中性子誘起ソフトエラー断面積をほぼ計算で再現でき、ソフトエラー発生に関する決定領域の考え方が妥当であることを明らかにした。また、ソフトエラー発生のメカニズム、特にダイナミクスを調べる為の極細イオンビーム源装置を製作した。そして、中性子照射効果の空間的な大きさと時間的振るまいについて実験的に評価考察できる見通しを得た。 Si-SSDの照射実験では漏れ電流が中性子フルエンスに比例して増加した。また、漏れ電流増加に関するDT-DD中性子損傷相関係数は2.3であった。Si-SSDの中性子応答電荷スペクトルのデータをもとに荷電粒子輸送コードTRIMより計算した原子弾き出しについての損傷相関係数は2.5となり、漏れ電流増加に関する実験値とほぼ一致することがわかった。このことは、Si-SDDの中性子損傷(漏れ電流の増加)が原子の弾き出し効果に強く関係し、またエネルギーの異なる中性子による損傷についても原子の弾き出しの計算によって、損傷の予測や評価ができることを意味している。
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