研究課題/領域番号 |
05558070
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小佐古 敏荘 東京大学, 原子力研究総合センター, 助教授 (50114476)
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研究分担者 |
志田 孝二 東京大学, 原子力研究総合センター, 助手 (60011095)
杉浦 紳之 東京大学, 原子力研究総合センター, 助手 (80211978)
岩井 敏 三菱重工(株), 原子力技術センター, 研究員
東郷 正美 東京大学, 教育学部, 教授 (70041283)
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キーワード | 体内放射能 / ホールボディカウンタ / 体内動態 / キャリブレーションファントム / CAMACシステム |
研究概要 |
(1)自然界にはバックグラウンド放射線が存在し、キャリブレーションファントムの測定においてはバックグラウンド放射線の安定化を図ることが、精度の良いホールボディカウンタ測定のためには極めて重要である。このため、自然放射線のうち変動幅が大きいと考えられるラドン(気中放射能)をとりあげ、ラドン濃度の変化がホールボディカウンタ測定値に及ぼす影響、気象条件や測定室・鉄室の換気条件とラドン濃度の関係を検討した。この結果、大地からの影響を受けにくい建屋屋上に吸気口を設け、高性能Hepaフィルターを通す形で十分換気を行うことにより、安定したバックグラウンド測定条件を得ることができることが判明した。 (2)体内被曝線量評価システムは、昨年度、開発したデータ処理プログラムのアウトプットとして得られる核種、体内負荷量の情報に加え、体内動態モデルとして国際放射線防護委員会(ICRP)が刊行物No.30で提示したモデルを採用し、そこから得られる初期負荷量、線量換算係数を組み合わせて構築した。 (3)本計測システムの実用条件への適用性の評価のため、点線源、人体模擬ファントム(K-40,Cs-137)および人体についてそれぞれ測定し、放射性物質の位置・分布状態の違いによる16本の光電子増倍管を通して得られるエネルギースペクトルへの影響について検討を行った。その結果、点線源の測定結果から得られたスペクトル形状の変化、人体模擬ファントムと人体の測定結果の比較から、広く低濃度で分布する人体内の放射性物質の定量が可能であり、詳細な位置情報もある程度推定できることが明らかとなった。
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