研究課題/領域番号 |
05558074
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
藤江 幸一 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30134836)
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研究分担者 |
島田 武夫 日本化学工業(株)研究開発本部, 本部長
大竹 久夫 広島大学, 工学部, 教授 (10127483)
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キーワード | 6価クロム / 排水処理 / 最適運転操作 / 微生物動態解析 / 水酸化クロム再利用 / バイオリアクターシステム / Enterobacter cloacae HO-1 / 有機基質の検索 |
研究概要 |
排水からの6価クロムの除去および回収リサイクルを目的として、クロム耐性菌(Enterobactor cloacae HO-1,以下HO-1)を用いた6価クロム含有排水処理バイオリアクターの開発を含むクロムリサイクルシステムの構築およびその最適運転操作条件を明らかにするための検討を行ってきた。すなわち、クロム製錬、メッキ工業等からの排水中に含まれる6価クロムを、HO-1によって有機基質の存在下で嫌気条件で3価クロムに還元し、生成した水酸化クロムを分離回収し、水酸化クロムの再利用用途の検討を行っている。今年度は特に、バイオリアクターシステムの最適運転操作条件の確立をめざした。その結果を以下にまとめる。 1)HO-1を大量に培養するために、酸化還元電位(ORP)を-100mV以下に維持した通気培養を行い、ここにFed-Batch操作で6価クロム含有排水の供給を行うことで安定した処理が可能である。 2)Fed-Batch操作によるバイオリアクターの処理性能を予測するための数式モデルを構築し、任意の条件での6価クロム濃度およびHO-1の菌体濃度を予測することを可能にした。 3)メッキ工場から排出された6価クロム含有排水(6価クロム濃度:100、200および3700mg/l)の処理をバイオリアクターで行い、上記の数式モデルで推算された処理性能との比較を通して、モデルの精度向上を行った。 4)数式モデルを用いた処理性能の予測計算を行い、安定した処理が可能な運転操作範囲を明らかにすることができた。 5)菌体中で呼吸鎖の電子伝達物質となるキノンの変化を分析することでバイオリアクター内での微生物動態を解析する手法の改良を行った。さらに、バイオリアクター内でのHO-1を追跡する目的で、PCR法を導入するため、これに用いるプラーマ-の製作を行っている。
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