研究課題/領域番号 |
05558078
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研究機関 | 宇部工業高等専門学校 |
研究代表者 |
村上 定瞭 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (00035065)
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研究分担者 |
宮崎 英男 富士フィルム, 足柄研究所, 主任研究員
柿並 孝明 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (30224348)
品川 恵美子 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (20116726)
竹内 正美 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (30043889)
深川 勝之 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (20043870)
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キーワード | 写真廃液 / 廃液処理 / 生物分解 / オゾン酸化 / 電解酸化 / 限外ろ過膜分離 |
研究概要 |
写真廃液は高濃度で多種類の難分解性物質を含んでおり、現在のところ、この効果的な処理法は確立されていない。現状では回収業者によって海洋投棄が行われているが、1996年1月1日より産業廃棄物の海洋投棄禁止が決定された。本研究では、写真廃液の効果的な処理技術を確立し、処理プラントの設計及び維持管理に関する知見を得ることを目的としている。本研究期間は平成4〜5年であるが、本年度の研究により次のような成果が得られた。 本処理プロセスは写真廃液→沈降分離→1次生物処理→化学処理→2次生物処理から構成される。沈降分離は廃液中に残存する懸濁物質(主として無機物質)を除去し、限外ろ過膜モジュールを固液分離とする活性汚泥法により生物分解生の物質を除去した。次に生物難分解生物質は、オゾン酸化或いは電解酸化法により生物分解生の物質に改質して、活性汚泥法或いは生物膜法により処理した。これらの実験結果より次のような結論が得られた。 (1)各構成プロセスによりCODの除去率は1次生物処理64%、化学法17%、2次生物処理15%で、全プロセスを通して96%であり、基本的に実用化が可能となった。(2)生物法の連続運転や速度論的な検討により、設計や運転管理に必要な基礎的データを得た。(3)写真廃液及び個々の含有成分のオゾン酸化及び電解酸化により、化学法の最適処理条件の決定、設計因子及び処理機構を明らかにできた。オゾン酸化法及び電解酸化法を比較したところ、処理特性に大きな差異は認められなかった。(4)窒素有機化合物は95%以上分解されるが、処理液中に硝酸イオンとして存在するため、窒素が規制されている水域への処理水の放流には、窒素の除去プロセスの追加が必要であることが分かった。
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