昨年度作成した自動発光測定装置をさらに改変し、昨年度と同様通常条件かにおける発光リズムの測定をより簡便に測定できるものとした。渦鞭毛藻ゴニオラックスについては、まず、発光に含まれる要素として、発光強度の大きな短時間のパルス的発光と長時間の微弱発光があるため、それらを識別するためにフィルターを接続したが、大きな変化は認められず、本装置が目的とする長時間の微弱発光の測定に適していることが分かった。得られた発光リズムへの薬物の効果としてクレアチンの効果を測定したが、以前別種の測定装置にて得られた周期短縮効果を再現よく得ることは出来なかった。測定時間間隔、照度、サンプルの溶液量、照明ランプの波長特性、温度などを種々検討したが今のところこの問題の解決に至っておらず、その原因が、装置上の問題であるのか、実験条件によるものであるのか、今後の検討課題である。一方、ラン藻についても、通常の条件下におけるリズムの測定に改良を加えるとともに、CCDカメラを用いて見出した短周期、長周期型ミュータントの解析、あるいは薬物等測定条件の発光周期への効果について調べたところ、いずれにおいても本測定装置が有効に使えることが分かった。以上、さらに改善する点があるものの、2種の生物の内在性発光時計ならびに導入した外来性発光時計の測定が可能な装置を開発する事が出来た。
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