研究課題/領域番号 |
05558081
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤井 信孝 京都大学, 薬学部, 教授 (60109014)
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研究分担者 |
藤本 正文 塩野義製薬, 研究所, 主任研究員
太田 光煕 国立宇多野病院, 研究員
林 恭三 岐阜薬科大学, 教授 (00029935)
藤多 哲朗 京都大学, 薬学部, 教授 (40027024)
玉村 啓和 京都大学, 薬学部, 助手 (80217182)
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キーワード | アルツハイマー / 老人性痴呆症 / NGF / Biotin化試薬 / アフィニテイークロマト / ジスルフィド形成 / Arg-vasopressin(4-9) |
研究概要 |
本年度は、アルツハイマー型老人性痴呆症との関連が深いヒト型神経栄養因子(NGF)の全合成を目的として以下の基礎実験を行なった。 I.ヒト型NGFの保護区分ペプチドの固相合成と固相合成ペプチドの精製法の検討 ヒト型NGFを12個のフラグメントに分けてFmoc型固相合成法により各保護区分ペプチドを合成した。また二価官能性試薬を応用した保護ペプチドの精製法を検討した。 また新たにAvidin-Biotin系アフィニテイークロマトグラフィーによる固相合成ペプチドの精製法に検討を加え新規Biotin化試薬をデザイン合成し、本試薬の有効性を数種のモデルペプチドの精製に応用して確認した。 II.モデルペプチドを用いて固相担体上でのフラグメント縮合反応に関する基礎実験を行なったが、反応が定量的に完結しない例も見いだされた。縮合試薬、縮合溶媒等の合成条件に関して詳細な検討の必要があることを認めた。 III.ヒト型NGFのジスルフィド形成反応に関する研究 NGFは分子内に3個のジスルフィド結合を有し、最終段階におけるジスルフィド形成反応は合成の成否を左右する重要な工程となる。本年度はDMSO(dimethyl sulfoxide)を酸化剤とするジスルフィド形成反応を新たに開発し、モデルペプチドを用いてNGFの合成へ応用するための基礎研究を行なった。 IV.NGF合成促進ペプチドに関する研究 NGF合成促進因子として記憶、学習との関連が指摘されている非対称ジスルフィド体、Argvasopressin(4-9)の効率的合成法を検討し、数種の誘導体を合成した。
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