研究課題/領域番号 |
05558082
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物有機科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
高石 喜久 徳島大学, 薬学部, 教授 (60035558)
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研究分担者 |
小野 幸久 大塚製薬(株), 研究員
中野 公子 徳島大学, 薬学部, 助手 (20136279)
宍戸 宏造 徳島大学, 薬学部, 教授 (20006349)
渋谷 雅之 徳島大学, 薬学部, 教授 (40027066)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | リウマチ / インターロイキン-1 / クロズル / ニシキギ科 / トリプトキノン / 一酸化窒素 / ジテルペン / キノイド / callus |
研究概要 |
慢性関節リウマチは死に至る病ではないが、その症状は確実に進み、患者さんの苦痛には計り知れないものがある。現在使用されているリウマチ治療薬は対症療法的な薬剤が多く、リウマチ症の進行を完全に阻止するものではない。また副作用など問題点も数多くあり、新しい作用機序に基づく新規薬剤の開発が強く望まれている。本研究は天然物から抗リウマチ作用物質の単離を目的として開始した。 中国でリウマチ治療薬として数多く用いられている生薬〔雷公藤〕(日本名:クロズル)から新規生理活性測定法であるインターロイキン-1(IL-1)産生遊離阻害活性を指標として活性成分の分離を進めた。 その結果新規ジテルペンキノイド7種を単離しそれらの構造を明らかにした。単離された化合物の中でトリプトキノンAは動物実験でも抗炎症作用を示した。本化合物についてより詳しい薬理試験や毒性試験をするため量の確保が問題となった。そこでトリプトキノンAの全合成を試み経済的ルートでの全合成に成功した。このようにして量が確保されるようになったトリプトキノンAについて急性、慢性毒性試験を検討した結果問題点はなかった。 薬理試験に関し、リウマチの発症とも関与すると報告されている一酸化窒素(NO)阻害作用についても検討した。その結果トリプトキノンAはNO合成阻害剤として働くことを明らかにした。 クロズルに含まれるトリテルペン成分についても検討を加え、新規物質7種を含む合計22種の化合物を単離、その構造を決定した。これらトリテルペンの数種にIL-1産生遊離阻害作用が認められることを発見した。さらにクロズルの植物組織培養を検討し、カルス、毛状根の作成に成功した。現在、トリプトキノンAについてはさらに詳しい薬理作用を検討中である。
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