研究課題/領域番号 |
05558083
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
北森 武彦 東京大学, 工学部, 助教授 (60214821)
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研究分担者 |
原田 明 東京大学, 工学部, 助手 (90222231)
渡辺 公綱 東京大学, 工学部, 教授 (00134502)
澤田 嗣郎 東京大学, 工学部, 教授 (90011105)
三浦 謹一郎 学習院大学, 生命分子科学研究所・所長, 教授
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キーワード | キャピラリー電気泳動法 / DNAシーケンサ / 超微量物質 / レーザー誘起キャピラリー振動法 / パルス発振 / レーザー光 / ゲル / 塩基 |
研究概要 |
超微量物質の高速高性能分離法としてキャピラリー電気泳動法(CZE)が注目され、高性能DNAシーケンサとしての応用が検討されはじめているが、CZEの最大の課題は分離した超微量物質を高感度に検出する方法がなく、DNA断片や塩基対のような超微量物質の分析に応用することが困難な点にある。そこで、本研究では、fgレベルの物質を化学修飾しないで定量できる我々独自のレーザー誘起キャピラリー振動法(CVL)をCZEに応用して新たな高性能DNAシーケンサとそれに適する分析ソフトを開発する。研究の第一年度はCZE/CVL装置を作成し、この方法に適したDNAのシーケンス法を検討した。以下に実績をまとめる。 【1】詳細は割愛するが、これまで定在波CVLの誘起が難しかったパルス発振のレーザー光で、特定の条件のもとで安定した正弦波の定在波CVLを誘起できた。これは予定外の成果であるが、紫外光領域のレーザーはほとんどパルス発振であり、また、波長選択の幅の広がることから、今後この研究プロジェクトに非常に役立つ手法である。これをCZEに連結してDNA分析装置を試作した。 【2】CZEのキャピラリーにポリアクリルアミドゲルを充填し、ゲル電気泳動とした場合でもCVLで超微量の塩基を検出できることを確認した。また、最適検出条件を見いだした。ゲルでは溶液より伝熱性がよく、高感度化することがわかったが、耐レーザー性は劣るので、光の照射密度を下げるためラインフォーカスを導入した。 【3】標準試料で、複数の塩基対を分離検出できることを確認した。 【4】一次元電気泳動で塩基配列を配列を決めるため、DNA断片の5'末端を固定化した試料を3'-エキソヌクレアーゼで分解し経時的分解パターンからその塩基配列を決定方法を検討した。
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