研究課題/領域番号 |
05558083
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡辺 公綱 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00134502)
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研究分担者 |
三浦 謹一郎 学習院大学, 生命分子化学研究所・所長, 教授
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キーワード | DNAシーケンサ / キャピラリー電気泳動 / レーザー誘起キャピラリー振動法 / 遺伝子診断 / 免疫診断 / 生体関連物質 / 超微量成分検出 / 超高感度検出 |
研究概要 |
ヒトゲノムプロジェクトに代表されるように、もし、分析速度・感度を一桁以上向上できれば、基礎・応用の両面で研究は大きく進展する。近年、超微量成分の分離分析法としてキャピラリー電気泳動法(CZE)が注目されている。しかし、CZEには、分離した超微量成分物質を高感度に検出する手法が無いため、DNA断片や塩基対のような超微量物質への応用は困難であった。申請者らは、CZEの超高感度分析法としてレーザー誘起キャピラリー振動法(CVL)を開発し、アトモル(10^<-18>モル)レベルでの検出・定量を実証してきた。本研究では、DNA断片の分離条件からデータの解析法に至るまで。DNAに的を絞って分析化学・分子生成物の両面から検討し、従来法より分離速度・検出感度が一桁優れる高性能DNAシーケンサを開発することを目的とした。 本年度は3年研究計画の最終年度にあたり、前年度までの成果であるパルス光励起定在波CVL法を利用して開発したシーケンサを用いて、実際にDNAを解析し実用性を評価した。具体的には、一本鎖DNA-21塩基対を標準試料として、検出絶対量16アトモルが達成できることを実証した。また、遺伝子診断への応用を検討し、心臓病やアルツハイマー症に関連があると見られるDNA断片の高感度検出を実現した。これにより、予防医学・早期発見の手がかりになる遺伝子診断法の発展に貢献できる可能性を示した。さらに、高性能免疫診断への応用では、免疫反応生成物と未反応物を分離する簡便な手法を検討し、従来法より高感度かつ簡便な免疫分析法を開発した。以上の研究により、アトモルレベルのDNAを始めとする生体関連物質を、蛍光や放射性同位元素の標識を行う場合と、同等もしくはそれ以上の感度で分析できることを実証した。DNA関連物質の分析において、標識化処理を省いた超高感度検出の実現はこれまでにない新たな応用分野を築くと考える。
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