研究課題/領域番号 |
05558087
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
遠藤 弥重太 愛媛大学, 工学部, 教授 (40093843)
|
研究分担者 |
中野 功一 東ソー株式会社, 生物工学・研究所, 室長
横山 茂之 東京大学, 理学部, 教授 (00159229)
|
キーワード | 連続式無細胞蛋白質合成 / 小麦胚芽無細胞蛋白質合成系 / 大腸菌無細胞蛋白質合成系 / 連続反応装置 / 転写・翻訳共役反応 / 翻訳活性の効率化 |
研究概要 |
本研究課題を遂行するに当たって平成5年度は先ず応応槽、攪拌方法、限外ろ過膜、送液系、蛋白質合成系と標的蛋白質遺伝子等の基礎的な項目について検討した結果、以下のような知見を得ることができた。 1・反応槽、攪拌、限外ろ過膜:反応槽1mlの連続式無細胞蛋白質合成を行い条件を検討した結果密閉・逆転型限外ろ過方式の反応装置が優れていることが分かった。なお、攪拌に関しては無細胞液の変性を防ぐため、マグネチックスターラー等の利用をしない方式が適していることが判明した。 2・送液系:樹脂仕様のHPLCポンプで十分使用可能であることが確認された。3・蛋白質合成系と標的蛋白質遺伝子:小麦胚芽および大腸菌から調製した通常の無細胞蛋白質合成系を用いて、作製したDHFR遺伝子、CAT遺伝子、RAS遺伝子、あるいはerbB遺伝子を鋳型として蛋白質合成を行った。大腸菌の系では添加したDNAに依存して目的の蛋白質が合成されることを確認した。このことは、この系で転写・翻訳共役反応が機能していること示している。一方、小麦胚芽系では、鋳型として、あらかじめmRNAをin vitro転写系で作製する必要であることが分かった。 更にこのような基礎的な研究を通して、大量蛋白質合成用システムの開発には、連続反応装置の開発に加えて細胞抽出液(無細胞蛋白質合成系)の翻訳活性の効率化についても考慮することが必要であることが明らかになってきた。
|