研究課題/領域番号 |
05558089
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
中西 守 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (90090472)
|
研究分担者 |
石森 義雄 東芝, 材料デバイス研究所, 研究員
鳥越 知香子 名古屋市立大学, 薬学部, 講師 (70237163)
鈴木 和男 国立予防衛生研究所, 生物活性, 室長 (20192130)
水口 純一郎 東京医科大学, 医学部, 教授 (20150188)
|
キーワード | フォトクロミック抗原 / 抗原抗体反応 / 光制御 / T細胞 / 免疫応答 / 抗原提示細胞 / シス・トランス異性化反応 / カルシウムイオン |
研究概要 |
抗体やT細胞レセプターの多様性の特徴を生かすと、光で形を変える分子(フォトクロミック分子)を抗原とする免疫応答がシステム確立できると考えられる。また、それらの免疫応答システムは光制御が可能である。そこで、1)フォトクロミック分子(アゾベンゼン誘導体)に対するモノクローン抗体の調製を試み、アゾベンゼンを抗原(Glu-azoAla-Gly-Gly,azoAla=L-p-phenylazophenylalanine)とする数種類のモノクローン抗体の作製に成功した。次に、2)それらのモノクローン抗体を用いて、抗原抗体反応の追求とその光制御を行った。その結果、紫外光(360nm)と可視光(430nm)の照射により、抗体はアゾベンゼンペプチドのトランス型に結合し、シス型になると解離することが明らかになった。また、3)パルスレーザ光を用いて、抗原抗体反応の光制御のメカニズムを追求した。その結果、抗体の抗原結合部位の中で、抗原の光異性化反応が起こっていることが明らかになった。また、4)シス・トランスの異性化反応は数十ピコ秒以内に起こっていた。5)次に、アゾベンゼンを抗原とするヘルパーT細胞の調製に取り掛かり、アゾベンゼン誘導体を抗原とする、T細胞ハイブリドーマ株の樹立に成功した。6)それらのT細胞ハイブリドーマを用いて、T-B細胞間相互作用を画像処理法により追求した。その結果、T細胞ハリブリド-マは抗原提示細胞とフォトクロミック抗原の存在下で活性化され、細胞内カルシウムイオン濃度の上昇した。7)また、T細胞ハイブリドーマは抗原提示細胞との相互作用によりアポトーシスが誘導されることが明らかになった。そして、T細胞のアポトーシスを光制御できることを明らかにした。8)これらの成果を集約し、フォトクロミック分子による免疫応答の光制御技術を確立した。
|