研究課題/領域番号 |
05558090
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
関根 光雄 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (40111679)
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研究分担者 |
高橋 秀臣 日本ミリポアR&D研, 主任研究員
西川 一八 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (60109262)
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キーワード | 化学発光 / ビオチン / 標識 / RNA / 塩基配列決定法 / リン酸化 / ジホスフェート / リンカー |
研究概要 |
本研究は現在RNAの基礎研究が活況を呈し大きくクローズアップされている現状をみて、非RI法によるきわめて簡便なRNAの塩基配列決定法を早急に開拓することを目的とするものである。本年度は、ビオチニルアミノヘキシルホスホロイミダゾリドを5'-末端リン酸基をもつRNAにジホスフェート結合を介して連結するビオチン標識反応で、金属イオンの存在で標識化反応が著しく加速されることを見いだした。特に、マグネシウムイオンが標識反応を均一系の溶液で行なえ、しかも反応収率もよいことを明らかにすることができた。一方、5'末端ビオチン化の実用的な条件として、金属イオンを全く含まない溶媒を経時的に濃縮する簡便な効率よい方法も見いだすことができた。また、核酸の5'末端のビオチン化は5'末端リン酸基が必要であるが、5'末端に5'リン酸基をもたないRNAに5'リン酸化反応の基礎研究として、この反応に必要な試薬であるビス(2-シアノ-1、1-ジメチルエトキシ)ジエチルアミノホスフィンを開発した。化学発光法で3'末端のビオチン化の3'末端近傍も塩基配列の読み取りが困難である問題をビオチン化剤に適当なオリゴチミジル酸リンカーを介在させることにより、世界ではじめて克服することができた。このように、初年度では、本研究の基礎となる種々のビオチン化標識法について、詳細な反応条件の検討を行ない、実用化に向けての具体的な研究成果を得ることができた。本研究の実用化は近いうちに達成できるものと思われる。
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