研究課題/領域番号 |
05558094
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
仙波 恵美子 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00135691)
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研究分担者 |
徳永 敦 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (70254521)
河合 良訓 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (80211861)
刀祢 重信 東京都臨床医学総合研究所, 放射線医学部門, 主任研究員 (70211399)
宮本 博行 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (90029778)
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キーワード | pseudorabies virus / トランスフェクション / 神経細胞 / トレーサー / 遺伝子導入 / 後根神経節 / ラット |
研究概要 |
最近、ウイルスベクターを用いた遺伝子治療が注目を集めており、レトロウイルスやアデノウイルスなどがその目的でよく研究され用いられている。これらのウイルスベクターの特徴は、細胞膜を通って細胞内に入り込む感染力を有するが、ウイルスとしての増殖能は持たないということである。一方、我々が本研究で外来遺伝子導入のためのウイルスベクターとして実用化を目指すpseudorabies virus(PrV)の特徴は、感染力も増殖能も保持しており、transneuronalに神経系を伝幡するということである。従って、transneuronal tracerとして、あるいはin vivoにおけるtransneuronalな遺伝子導入の実験に用いるのが主な目的である。今年度は、昨年度作成したβ-Gal遺伝子を組み込んだプラスミドDNA(5μg)と、ウイルスDNA(1μg)をカルシウム・リン酸沈降法によりVERO cellへのco-transfectionを何度か試みたが、トランスフェクションの効率が低く、β-Gal-PrVを得ることができなかった。トランスフェクションの効率を上げるため、カルシウム・リン酸法のかわりに、リポソームを用いて検討中であるが、まだ安定したトランスフェクションの得られる条件は確立されていない。その原因として、我々の精製したウイルスDNAに問題がある可能性も考えられ、今後の検討が必要と思われる。PrVの短所として、ゲノムサイズが150kbと大きいため、ウイルスDNAの精製が困難であること、トランスフェクションの効率が低いため、外来遺伝子の導入が困難であるということがあげられる。今後、外来遺伝子の導入が比較的容易なアデノウイルスベクターを用い、神経細胞への遺伝子導入の効率やそれぞれのウイルスの長所・短所について、実用的な見地から比較検討していきたい。in vivoへの遺伝子導入のモデルとして一次知覚伝達系の後根神経節(DRG)を用い、preprotachykinin A(PPTA)mRNAに対するアンチセンスoligonucleotideを産生するような遺伝子を導入してDRGにおけるSubstancePやSubstanceKの産生を抑制した時の動物の疼痛に対する反応、脊髄後角におけるFos発現について検討する。
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