研究課題/領域番号 |
05558096
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
田中 英明 熊本大学, 医学部, 教授 (90106906)
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研究分担者 |
太田 訓正 熊本大学, 医学部, 助手 (90244128)
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キーワード | 運動ニューロン / ニワトリ胚脊髄 / Differential Display / nRNA / cDNAクローニング / In situハイブリダイゼーション |
研究概要 |
神経回路、特に運動ニューロンの回路網形成の分子機構を明らかにするためには運動ニューロン全体、さらにはそのサブタイプに特異的に発現されている分子、たとえば細胞認識分子と標識分子を徹底的に捜し出す必要があり、分子生物学的手法がそれを可能にすると考えられる。 本年度の研究では胚からの材料採取が容易であり、かつ最も良く研究されているニワトリ胚の後肢を支配する腰部運動ニューロンを研究対象とし、蛋白質を電気泳動により二次元に展開して組織間で発現を比較出来るように、存在するmRNAを比較する方法であるmRNA Differential Display法を採用した。Differential Display用のプライマーはGene Hunter社から市販されているプライマーならびに自家合成プライマーを用いた。ニワトリ胚運動ニューロンが標的筋に軸索を伸ばすE3、E4の腰部と胸部脊髄を取り出し、RNAを抽出した比較した結果、非常に良く似ている組織を比較するためほとんどのバンドは共通に見出されたが、一部(約20)のバンドは胸部あるいは腰部に特異的に発現しているmRNA由来のcDNAであった。現在これらの発現細胞をin situハイブリダイゼーションにより同定しているところであるが、明確な結果は得られていない。新しい実験系であることと再現性のある結果を得るために時間を要したが、ようやく軌道に乗り始めたと評価される。
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