研究課題/領域番号 |
05558098
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
山田 和廣 大分医科大学, 医学部, 教授 (20053027)
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研究分担者 |
入口 紀男 シーメンス旭メディテック, 開発製造本部, 次長
西丸 直子 大分医科大学, 医学部, 助手 (60101086)
堀 重昭 大分医科大学, 医学部, 教授 (00004987)
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キーワード | 筋肉 / 脳 / 非侵襲的方法 / 脳の局在機能 / Nアセチルアスパラギン酸 / 乳酸 / NMR / 低酸素 |
研究概要 |
機能的に不均質な糸である筋肉及び脳の機能についてその局部的な機能を知るには、非侵襲的方法による研究の意義が大きい。脳の局在機能の非侵襲的な検出には、ポジトロンエミッション断層装置(PET)が成功を収めた。一方同様に非侵襲的方法であるNMR及びそれによるトモグラフィーは、放射性同位原素を用いることなく、生体内代謝及び機能物質を検出することができるという特徴を持っている。 本研究ではこれまでに傾斜磁場を用いる局所選択^1H-NMRスペクトルによって、低酸素時のウサギの脳の代謝状態の変化を調べた。局所選択はStimulated Echo法 (VOSYパルス系列)により、大脳基底核群を選び、その選択領域の大きさは約0.5mlであった。また必要に応じて水信号の抑制を行った。用いたエコー時間の範囲は200〜270ミリ秒である。その結果、水、Nアセチルアスパラギン酸、総クレアチン、コリン類、及び乳酸などの信号と、その低酸素による変化を観測することができた。レーザー血流計のセンサーを、スペクトル選択領域の反対側に刺入し、脳の同じ組織における血流速度及び流量を同時に測定した。その結果、局所における乳酸の増加は、低酸素及びそれに伴って生じる局所血液循環の低下の両者が同時に進行したことによって生じることが明らかとなった。すなわち循環血液中の酸素分圧の低下だけでは脳組織の乳酸量はあまり増大しない。このような知見は従来考えられてきたものと異なっている。今後はさらに機能的画像及びスペクトル変化の画像化を試みる予定である。
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