研究課題/領域番号 |
05558113
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岩崎 裕 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00029901)
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研究分担者 |
光亦 忠泰 松下電器産業(株), 中央研究所第一研究室, 室長
吉信 達夫 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (30243265)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | センサ / 化学イメージセンサ / pHイメージセンサ / 半導体 / 酸化還元電位 / B2反応 / パターン形成 / 生体計測 |
研究概要 |
昨年度までに本研究で開発した半導体化学イメージセンサにより、試料中のpH値や分子・イオン濃度の2次元分布を画像化できることがわかった。現在までに、空間分解能100mm、pHに換算した測定精度0.01、測定速度毎秒100ピクセルを達成している。また、センサ面上で微生物や神経細胞・組織などの生体試料を培養することができ、代謝や神経活動などの生理現象の観察に用いることができることを示した。 本年度はまずセンサ面である窒化物表面が試料溶液の酸化還元電位に対してどのように応答するかを調べた。その結果、金属電極に比べてやや感度が低いものの酸化還元電位の変化に対して直線的な応答を示すことがわかった。また、試料中の酸化還元電位の2次元分布を画像化することにも成功した。これにより、酸化還元反応を伴う空間的に不均一な系の解析が可能となった。その応用として、自発的振動現象や空間的パターン形成現象で知られるベロ-ゾフ・ジャボチンスキー反応を取り上げ、化学イメージセンサを用いてこの溶液中の化学波の伝搬をとらえることに成功した。 以上のように酸化還元電位の空間的時間的解析が可能になったことにより、化学イメージセンサの応用範囲は非常に広くなるものと期待される。特にセンサ面と生体との親和性が高いことから、生体中におけるさまざまな化学反応に伴う物質の生成・移動や反応の伝搬を観測する新しい手段になり得るものと期待される。
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