研究課題/領域番号 |
05558119
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 川崎医療短期大学 |
研究代表者 |
望月 精一 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 講師 (60259596)
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研究分担者 |
松本 健志 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 講師 (30249560)
後藤 真己 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 助教授 (50148699)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10152365)
辻岡 克彦 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (30163801)
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | マイクロダイアリシス / 生理活性物質 / 回収率 / 腎臓 / 心臓 / 高速液体クロマトグラフィー |
研究概要 |
初年度は、血液のタンパク質分離等に用いられるポリエーテルスルフォン膜を対象にして、タンパク質の膜への吸着、また、濾過中の堆積による透水性と分離特性の変化を測定して定量的に解析した。その結果、分画分子量10万の膜の場合、アルブミン吸着後透水性は、20〜30%低下した。また、分画分子量3万の膜での多分散性デキストランの見かけのふるい分け係数(濾液中の濃度のバルク相の濃度に対する比)は、アルブミン吸着後最高50%程度まで減少した。以上の結果から、タンパク質による膜の劣化の影響が大きいことが明らかになり、生理活性物質のサンプリングのためには、回収速度および回収率の低下を正確に把握することが、定量的マイクロダイアリシス法を確定する上で重要であることが示された。 初年度の回収用膜の基礎的な評価に引き続き、第2年度は、分画分子量2万のポリカーボネート製マイクロダイアリシスプローブを用いて、臓器中から生理活性物質などの回収を試みた。予備実験によるアデノシンの回収率は、約15%、アンギオテンシンIIの回収率は、約7%であった。イヌ腎皮質からのアンギオテンシンII回収実験では、数ppmオーダーの低濃度ながら連続的な回収が可能であることを確認した。しかし、回収中の膜の劣化(タンパク質などの吸着)が認められ、前処理、他の膜素材の応用などをさらに検討する必要があると考えられた。ランゲンドルフ潅流装置を用いたラット摘出心の予備実験では、肺動脈からの駆出液を回収して分析した。すなわち、アデノシン、イノシン、ヒポキサンチンを回収して濃度を測定したところ、虚血に伴って著しく増加するアデノシンとその代謝産物の動態を連続的にモニターできることを確認した。これらの予備的な検討をもとに、現在、マイクロダイアリシス法を心筋局所に導入してATP代謝物を回収・計測する実験遂行中である。
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