研究課題/領域番号 |
05559004
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
兵頭 俊夫 東京大学, 教養学部, 教授 (90012484)
|
研究分担者 |
内田 博 浜松ホトンクス, 中央研究所, 専任部員
斎藤 晴雄 東京大学, 教養学部, 助手 (60235059)
長嶋 泰之 東京大学, 教養学部, 助手 (60198322)
|
キーワード | 陽電子消滅 / 2光子2次元角相関装置 / 位置敏感光電子増倍管 / BGOシンチレータ |
研究概要 |
平成6年度までに完成させた、多数の柱状BGOシンチレータを取り付けた位置敏感光電子増倍管を用いたγ線入射位置敏感検出器を用いて、陽電子消滅2光子2次元角相関装置を組み上げた。 検出器には、平成6年度に作製した検出器移動機構を組み合わせた。また、試料室架台に試料室をとりつけ、試料に磁場をかけるための電磁石を設置し、γ線をシールドするための整形した鉛ブロックを積み上げた。一方、実験用ソフトウェア、すなわち(1)検出器移動機構の制御、(2)CAMACシステムの制御、(3)2光子角相関の算出(角度演算と効率の補正)を同時に行うプログラム、およびデータ解析用プログラムを作製した。 検出器は試料から5mの位置に設置した。低温でKI中のブロッホ状態のポジトロニウムの運動量分布(ポジトロニウム・ピーク)を用いて、試料サイズが2mmのときの分解能を測定したところ、1.1×10^<-3>mcであった。これは、検出器自体の位置分解能が2.5mmであることに相当し、高分解能アンガー・カメラの性能に匹敵する。検出面積が典型的なアンガー・カメラに比べて1/100であるにもかかわらず、2光子角相関の測定効率は1/10以上であった。これは、シンチレータとしてNaIより密度の高いBGOを使ったためである。 本装置を使って、KI中のポジトロニウム状態の温度依存性や錯塩中のスピン・クロスオーバー転移の研究をすでに開始した。
|