研究課題
本研究では、臨床用NMR装置の抜本的な改造・改良を行ない臨床用装置における装置的制約を取り除き、NMRを用いてヒト脳の精神(神経)活動に伴う脳内の物質変化や生化学変化を脳内の部位別に無侵襲・非破壊的にしかも高い時間・空間分解能で計測できる技術を開発する。そして、これを用いてヒト脳機能局在の無侵襲解析や脳機能画像診断を可能とするNMR先端技術を開発することを目的とする。申請者は、脳研究におけるこの新しいNMR技術をBrain Functional NMR Spectroscopyと名付けた。このBrain Functional NMR Spectroscopyを実現するためには、以下の6つの要素技術の適用を可能とする臨床用NMR装置を開発する必要がある。【.encircled1.】高感度化技術【.encircled2.】高スペクトル分解能化技術【.encircled3.】高シグナル局在化技術【.encircled4.】高時間分解能化技術【.encircled5.】画像化技術【.encircled6.】多次元NMR計測技術初年度は【.encircled1.】〜【.encircled6.】の各要素技術の開発を可能とするために、我々が既に開発した2テスラ高磁場ヒト全身用NMR装置に各種ハードウェア及びソフトウェアの装備を行なった。これにより、従来の臨床用NMR装置では不可能であった多次元NMR測定や選択的スペクトル編集が可能となった。また、多次元画像解析システムを整備した。これにより多次元画像処理技術を開発することが可能となった。来年度は、Brain Functional NMR Spectroscopyの要素技術である2テスラ・ヒト全身用NMR装置の高性能化をさらに発展させ、感度、分解能、シグナル局在化NMR計測技術の向上を進めるとともに脳機能測定のための新しいパルス系列を開発する。
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