研究課題/領域番号 |
05610007
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
松井 良和 三重大学, 人文学部, 教授 (60086163)
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研究分担者 |
小川 眞里子 三重大学, 人文学部, 教授 (00185513)
清水 正之 三重大学, 人文学部, 教授 (60162715)
山岡 悦郎 三重大学, 人文学部, 教授 (90115741)
伊東 祐之 三重大学, 人文学部, 教授 (50011359)
武村 泰男 三重大学, 学長 (20024432)
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キーワード | 魂 / プシュケー / 生 / 死 / 理性 / アートマン |
研究概要 |
1.第1回の研究合宿会(1993年9月)においては、斎藤明が仏教の「存在=機能」説の立場から、人の死の判定は脳死によるよりも従来の三徴候説による方が適切であるという意見を発表し、討論を行った。 2.第2回の研究合宿会(1994年1月)においては、 (1)清水正之は『古事記』、『日本霊異記』、国学、夏目漱石等を用いて、日本人が生と死の間で魂に明確な区分を設けておらず、日本人の「魂」の概念が瞹昧であるという意見を発表し、各研究分担者が討論を行った。 (2)講師として招いた筑波大学教授、竹村牧男氏の講演「仏教における魂」を聞き、仏教が魂を非実体的なものとして捉えていることを学んだ。 3.定例研究会においては、 (1)松井良和は「魂」としての生命の起源を無機的物質に求める自然科学の試みがいずれも成功していないことに対して、物質の根源を問う哲学的姿勢が必要ではないか、と提言した。 (2)伊東祐之は西洋における「生」の概念を古代から現代まで通観して、そこから「生」は実証科学的概念に置き換えられるものではなく、精神的、歴史的な概念であることを取り出した。 (3)小川眞里子は「死」の生物学的意味を進化論的視点から考察し、生物が環境に適応するために、絶えず古い個体の死と新しい個体の誕生が必要であったという意見を発表した。 (4)桑原直己は、アリストテレスの霊魂論について、カーンが不滅な理性を非個人的なものと解釈したことに対して、個人の理性的霊魂は不滅であるか否か、という問題を提起した。
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