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1993 年度 実績報告書

自我論と情念論の研究

研究課題

研究課題/領域番号 05610012
研究機関放送大学

研究代表者

渡邊 二郎  放送大学, 教養学部, 教授 (60011285)

キーワード実存 / 無 / 主意主義 / カントとドイツ観念論 / 現象学 / 情念論 / 芸術論 / 生命
研究概要

本年は、「自我論と情念論の研究」を哲学的観点から遂行してみるという計画を立てた。
第一に、西洋古代中世関係では、主としてアリストテレスの芸術論に即して「ミメーシス,カタルシス,ハマルティア」の考究に成功することができた。
第二に、西洋近世関係では、カントの『判断力批判』を中心とした芸術論・情念論・人間観の究明にかなりの成果を挙げることができた。
第三に、19世紀以降の主意主義の哲学に関しては、フィヒテ,シェリング,ショーペンハウアー,ニーチェ等に即して、研究を深めることができたことは幸いであった。とりわけ、後期フィヒテの光と生命の思想、シェリングの芸術哲学、エルランゲン講義等に、大きな成果を結実させることが可能となった。また総じて、カントとドイツ観念論の全体についても、無の概念とのかかわり、現代現象学との関係等、立ち入った考究を遂行することができた。
第四に、西洋現代に関しては、フッサール,ハイデッガー,ガダマー,ベルリンガー等についての哲学史的研究を遂行し、種々の論文も仕上げた。そればかりでなく、現代文明のなかを生きる今日の人間の問題についても、研究成果を優めることができた。
全体として、書物のみならず多くの論文を書き上げて、本研究活動の基礎を作りえた年であったと自己評価している。

  • 研究成果

    (14件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (14件)

  • [文献書誌] 渡邊,二郎: "現代の状況における実存思想の意義" 理想. 第650号. 1-13 (1992)

  • [文献書誌] Jiro Watanabe: "Categorial Intuition and the Understanding of Being in Idusserl and Heidegger" John Sallis(ed),Reading Heidegger(Indiana University Press). 109-117 (1993)

  • [文献書誌] Jiro Watanabe: "Rudolph Berlingers Metaphysik-Erste Phase-" Peropekiven der Philosophic. Bd.18. 183-196 (1992)

  • [文献書誌] 渡邊,二郎: "シェリングのエルランゲン講義" 放送大学研究年報. 第10号. 51-77 (1993)

  • [文献書誌] 渡邊,二郎: "フィヒテにおける光と生命" フィヒテ研究. 創刊号. 5-27 (1993)

  • [文献書誌] Jiro Watanabe: "Zur Fiktion and Wahrheit in der Kunst" Journal of the Faculty of Letters,The University of Tokyo. vol.17. 47-55 (1992)

  • [文献書誌] 渡邊,二郎: "現象学的還元" 『現象学事典』(弘文堂). 125-129 (1994)

  • [文献書誌] 渡邊,二郎: "ドイツ観念論と現象学" 『現象学事典』(弘文堂). 350-354 (1994)

  • [文献書誌] 渡邊,二郎: "イデーン" 『現象学事典』(弘文堂). 617-619 (1994)

  • [文献書誌] 渡邊,二郎: "ドイツと日本の「無」の哲学" 『ドイツ観念論との対話』第6巻. (3月刊予定). (1994)

  • [文献書誌] 渡邊,二郎: "シェリング芸術哲学の射程" 放送大学研究年報. 第11号(3月刊予定).

  • [文献書誌] 渡邊,二郎: "シェリング芸術哲学の根底に潜む人間観" シェリング研究. (5月刊予定). (1994)

  • [文献書誌] 渡邊,二郎(単著): "芸術の哲学" 放送大学教育振興会, 1-283 (1993)

  • [文献書誌] 渡邊,二郎(編著): "現代文明と人間(1994.3月刊予定)" 理想社,

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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