• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 研究成果報告書概要

〓康の<論>における「言語」の研究

研究課題

研究課題/領域番号 05610016
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 中国哲学
研究機関立教大学

研究代表者

森 秀樹  立教大学, 文学部・日本文学科, 教授 (60103389)

研究期間 (年度) 1993 – 1995
キーワード宅に吉凶なし / 風水思想 / 養生説 / 予占と神秘 / 意味論(semantics) / 語用論(progmatics)
研究概要

前年度に引き続き、〓康の残した<論>の訳注作りを行った。今年度は、「宅無吉凶摂生論(宅に吉凶無し摂生論)」を中心として、当時の予言思想や家相占いの情況、とくにこの頃から始まったとみられる「風水思想」と〓康との関係を研究した。結果的には、〓康の思想がいわゆる合理主義的な常識論とは異なり、理性で判断し知覚することのできない領域を残さなければならぬ、と考えていあこと、また、予言に託す人の心と「養生」とが、ある神秘的な要素を共有している点でつながっていること、などが分かった。ただし、訳注については、この論文の難解さが充分克服できず、軟没している。中国から出版された中国語訳も手に入ったが、細かい部分で読み方の間違いやあいまいなところが多すぎてあまり参考にならず、訳注はいまだ完成するには至っていない。論文として、〓康の言語の特質を堀り下げることを目的としているこの研究は、いましばらく継続させなければならない。その際の着眼点は、あくまでも〓康のロジック、概念の新しい組みかえ、戦略としての論争などという「言語」ゲームに据えられなければならない。今後の課題の大きさを痛感している。
なお、言語思想一般については、多くの言語哲学的著作と研究者に触れ、問題の所在がますます明らかになった。語用論(プラグマティズム)と意味論(セマンティックス)との接点を求めることが、〓康のような現実的立場にアクチュアルに生きようとした思想家のことを考える際には必要であることが分かった。意味論研究としては、戦国時代の名家(めいか)や道家思想とのつながりを考える必要がある。また語用論的観点に、新しく中国古代哲学を考えるひとつのポイントになって来よう。いずれにせよ、研究の深化、拡がりに、この知見は大いに生かすことができると確信する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 森秀樹: "心に値(あた)りて言い、情に觸(ふ)れて行う-〓康『釈私論』" 宝積. 6. 26-28 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] "Transcendence and Mystithyzm in Keikou (**) -about the theory of music and health" A Library of HOUSHAKU comparative relijion and culture vol.2 TRANSCENDENCE AND MYSTITHIZM. TAIMEIDOU,JAPAN., (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

URL: 

公開日: 1997-03-04  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi